夏になると、屋内で小さな虫を見かける頻度が増えるものです。
ご自身で駆除できるケースがほとんどですが、「コバエを駆除してもらえないでしょうか」と808シティへ相談をされるケースも少なくありません。
しかし、みなさんが呼んでいる「コバエ」は小さな虫の総称で、実はハエだけでなく蚊の仲間である可能性があり、正体を見極めないと適切な対処ができません。
そこで、今回は飲食店やご家庭でよく見かける「コバエ」の代表的な種類と、それぞれの適切な駆除方法をご紹介します。
目次
みなさんが「コバエ」と呼ぶ虫の正体は、主に以下の4種類であることがほとんどです。
コバエの主な種類 | 見た目の特徴 |
チョウバエ | ・灰色っぽい
・羽の形が逆ハート型 ・日中はあまり動かない |
ノミバエ | ・茶褐色
・素早く走り回る |
ショウジョウバエ | ・黄褐色あるいは赤褐色
・空中で止まる(ホバリング) |
クロバネキノコバエ | ・黒色や暗褐色
・反応や飛翔速度は遅い |
これら「コバエ」は見た目や行動、発生場所などが異なり、適切な駆除の方法もそれぞれに異なります。
飲食店でコバエを放置していると、お客さまに不快感を与えたり異物混入のリスクがあったりするため、見つけたら早めに対策しておくのが重要です。
浴室やトイレ、洗面所の壁に止まっている灰色の逆さハート型の虫は、「チョウバエ」である可能性が高いです。
名前に「ハエ」とついていますが、実は蚊の仲間で排水溝などの浅い水溜まりの中で繁殖します。
放置していると大量発生することも多く、飲食店の場合はクレームの原因になりかねないため注意が必要です。
夜行性なので日中はじっとしていることが多く、成虫であればハエ・蚊用の殺虫スプレーを噴きかけるだけで簡単に駆除できます。
しかし、幼虫は排水管などの中にいるため、薬剤が届きにくく、効果はほとんどありません。
屋内での繁殖が疑われる場合は、幼虫の成長や繁殖を阻害する「成長制御剤(IGR)」入りの薬剤を使用しましょう。
これは店頭ではあまり販売されていませんが、ECサイトなどで入手できます。
商品の取り扱い説明に従って使用すれば、一般の方でも簡単に駆除することが可能です。
テーブルの上や調味料の周りを素早く走り回る小さなハエがいた場合は、「ノミバエ」かもしれません。
チョウバエの次に相談を受けることが多く、素早い動きが特徴で、捕まえようとしても素早く飛んで逃げます。
また、ノミバエは腐敗した食べ物のカスや下水などの環境を好みますが、屋外から侵入するケースも多いので、市販のコバエ取り器を使った成虫対策が主な駆除方法になります。
赤や黄色っぽい色をした小さなハエが、果物や野菜の周囲を飛び回っていたら、「ショウジョウバエ」の可能性が高いです。
ショウジョウバエは芳醇な香りや野菜の腐敗臭を嗅ぎつけて飛来するため、ご家庭や飲食店での料理に混入してしまうこともあります。
ショウジョウバエは買ってきた果物や野菜に付いている場合があるほか、数十m先から匂いを嗅ぎつけて小さな隙間から室内に入ってくることも珍しくありません。
駆除する場合は、ノミバエと同様にコバエ取り器を使うのがおすすめです。
最後に取り上げる「クロバネキノコバエ」は、これまでに紹介したコバエと性質が異なり、筆者(足立)自宅のリビングで大量発生したことがありました。
クロバネキノコバエは植物の鉢や腐葉土などに発生するコバエの仲間で、筆者の場合は子どもが学校から持ち帰ったアサガオの鉢をリビングに置いていたことが原因でした。
人を刺したり病気の媒介になったりすることがなく比較的おとなしい虫ですが、食品に紛れ込んで話題になることもあり、不快に感じる方も多く、早めの対策が求められます。
市販のコバエ取り器はあまり効かないので、ハエ・蚊用の殺虫スプレーなどを使用するのが効果的です。
ひと口に「コバエ」といっても、特定の虫を指しているわけではなく、それぞれに駆除方法が異なります。
そのため、コバエの駆除は種類を特定してから臨むようにしましょう。
駆除方法 | |
チョウバエ | ・成虫にはハエ・蚊用の殺虫スプレー
・幼虫には成長制御剤(IGR)入りの薬剤 |
ノミバエ | ・コバエ取り器
・ハエ・蚊用の殺虫スプレー ・幼虫には成長制御剤(IGR)入りの薬剤 ・野菜や発酵食品など、誘因原因物の除去 |
ショウジョウバエ | |
クロバネキノコバエ | ・ハエ・蚊用の殺虫スプレー
・鉢植えを屋外へ移動 |
市販されているコバエ取り器は、ショウジョウバエやノミバエに効果的です。
ただ、他の食品に引き寄せられることがあるので、ハエ・蚊用の殺虫スプレーの使用も検討しましょう。
最近になって販売されるようになったコバエ用のワンプッシュスプレー剤などを使えば、数時間ほど虫のいない状態が続くため、飲食店なら開店前に使用されると良いでしょう。
このほかにも効果的な対策方法として青いランプが特徴の「捕虫器」が挙げられます。
紫外線で虫を引き寄せ、粘着テープで捕獲するアイテムです。
コバエはあまり高い場所を飛ばないので、天井近くよりも床に近い位置に設置するのがおすすめです。
また、光が窓から漏れると、屋外の虫を呼び寄せてしまうため、光が漏れないように遮光したり、取付位置に注意したりしましょう。
あるいは、窓ガラス用の殺虫スプレーを窓に吹き付けたりすると良いでしょう。
「コバエが捕まらない」「殺虫スプレーが効かない」という方もいますが、コバエの種類を特定せずに対策していることが主な原因でしょう。
まずは正しい見極めから始め、種類に合わせた対策を講じることが根本的な解決につながります。
ただ、「どれだけ駆除しても手に負えない」という場合は、迷わずプロの駆除業者に依頼しましょう。
808シティは一般家庭や飲食店、宿泊施設などから害虫駆除の依頼を多数受けており、コバエはもちろんトコジラミなどの駆除も徹底的に行なってきました。
お客さまに寄り添ったご提案をさせていただきますので、コバエをはじめ害虫駆除にお悩みの方は気軽にご相談ください。
【足立雅也 プロフィール】
808シティ株式会社 代表取締役社長。
大手害虫駆除業者で様々な害虫駆除を体得し、その技術を競う全国大会で優勝実績を持つ。
現場での駆除作業にとどまらず、関連する協会や学会の役員を務めるなど業界活動にも意欲的。
日本全国で数々の講義・講演を行っており、トコジラミの講演数は200を超える。
「トコジラミ研究会」のメンバーとして、『トコジラミ読本』(日本環境衛生センター・2013年出版)を監修。
東京・神奈川・埼玉を中心とした関東圏から、
大阪を中心とした関西圏など、広域にわたって対応しております。
どの地域の方も、まずはご相談ください。
関東圏
東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬、静岡、山梨
関西圏
広島、岡山、兵庫、大阪、京都、奈良、滋賀、三重、和歌山
九州圏
福岡、佐賀、大分、長崎
現地調査・無料見積のご依頼・ご相談
tel.03-6417-1153受付時間 9:00-18:00