お役立ちコラム

2021/03/13

プロがやっている感染症対策 新型コロナウイルス消毒方法

新型コロナウイルスの消毒は、厚生労働省や経済産業省等のホームページに、代用品も含めて数々の種類の消毒液や消毒方法が紹介されています。その中でもプロはどの消毒液を使って、どのような消毒方法をしているのでしょう。今回は私どものやり方をご紹介します。

 

1.消毒液は何を使う?

私どもは消毒用エタノールを使用しています。エタノールを選ぶ理由は、新型コロナウイルスのようなエンベロープ(脂質膜)をもつウイルスに対して、エタノールは不活性化させる信頼度が高いからです。また、様々な素材に使用できるので、使いやすい消毒液と言えます。さらに素早く不活性化させる効果がありますので消毒作業中に技術員がリスクの高い部分に触れてしまっても、すぐに消毒することで、自分への感染リスクを回避することが期待できます。

 

もちろん、消費者側のメリットもあります。いつからオフィスや店舗に入れるかよく聞かれますが、換気をすればすぐに施設の利用が可能と答えると喜ばれます。エタノールが蒸発して屋内に残っていると、引火の心配もありますし、目やのどに刺激がありますので、窓やドアを開けて室内の空気を入れ替えましょう。

 

次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸水は漂白や酸化の作用があります。下地や素材を傷めないように、清拭(せいしき)消毒の後に水拭きする必要があります。エタノールはその必要がありません。二度拭きが不必要な分だけ作業時間の短縮や労力の軽減になりますので、もしかすると料金も少しは安くなるかもしれません。

 

エタノールは使いやすくメリットが感じられる消毒液ですが、注意点もあります。エタノールはアルコールの一種で、引火性がありますので火気厳禁です。例えばガス湯沸かし器の種火や、灰皿のたばこの火種は要注意です。人体に対しては、目、鼻、のどへの粘膜に刺激性があります。消毒作業時にゴーグル型の保護メガネやマスクは必需品で、換気も取り入れながら作業をしましょう。一部、ゴムや粘着性のある素材には、一部変色や変形がありますので、事前に目立たない部分で試すなどの配慮が必要です。

 

 

2.新型コロナウイルスの不活性化のしくみ

新型コロナウイルスは球型のウイルスで、エンベロープと呼ばれる油分の膜で覆われています。エンベロープに70w/w%(重さでの割合)前後濃度のエタノールが触れると、20秒以内でその膜が壊れ、RNAと呼ばれる遺伝子情報が漏出し、感染力がなくなります。ウイルスは生物ではないという見方がありますので、死滅と言わずに不活性化と表現します。

 

エタノールは濃度が70w/w%(重さでの割合)または、77v/v%(体積での割合)のときに、最も効率よく油分を溶かす性質があります。濃度が80w/w%(85v/v%)より高い場合、その性質上において油分を溶かす効率は低下します。濃度が高ければ高い効果が得られるというわけではありません。また、室温が高い場合は、すぐにエタノールが蒸発してしまうこともありますので、十分な効果を得るためにはエタノールで濡れている時間を20秒程度確保できるように、ゆっくりとした動作で清拭(せいしき)します。

 

一方、50w/w%(58v/v%)でも不活性化は可能ですが、1分間の接触が必要と報告があります。温暖な室内では1分以内にエタノールが蒸発することもありますので、かなりゆっくりとした動作で濡れた状態を維持する作業になります。作業時間が過剰にかかってしまいますので、実用的ではなさそうです。

 

   

 

3.新型コロナウイルス 消毒方法

コロナウイルスの消毒には清拭(せいしき)という方法を行います。ご参考までに、当社の清拭方法をご紹介します。容量5Lのバケツにワイパーと言われる使い捨ての不織布(ふしょくふ)を入れ、エタノールに浸して十分に染み込ませます。不織布を軽く絞ってから消毒する部分に当てて、20秒間程度濡れた状態になるように、ムラなく塗りつぶすようにゆっくりとした動作で塗り広げます。往復させて拭き上げようとすると、不織布が丸まってしまいますので、自然と一方方向に動かしながらの消毒になります。不織布が乾いたらハンディタイプのトリガースプレーで、不織布にエタノールを噴き付けて、再度湿らせて続きを消毒します。個人差はありますが、ウイルスや汚れが不織布の表面に堆積しますので、再度湿らせるよりも、できるだけ頻繁に新しいものに交換するようにしています。

 

不織布の代わりに雑巾を使用する場合は、新品か清潔なものを用います。5Lの大きさのバケツにエタノールを500~1000mL入れて、何か物をひとつ、あるいは一部分清拭するたびに雑巾を浸します。軽くすすぎ洗いをするようにして、表面に付着したウイルスや汚れを落としましょう。適度に絞ってから雑巾を広げ、消毒する部分にムラなく塗り広げます。円を描くような拭き上げ方法ではなく、基本は一方方向に動かして、ムラなくゆっくり塗りつぶすようにしましょう。

 

ときどきテレビを通してどこかの業者が消毒されている場面を見ることがありますが、噴霧器やハンディスプレーで噴き付けるだけの消毒をされていることがあります。個人的な意見で恐縮ですが、それだけでは十分な消毒効果が得られない場合があるのではないかと思います。

 

消毒処理面を拡大して見てみると、消毒液が小さな粒となって密に付着しています。一見、消毒ができているように見えるかもしれませんが、粒と粒との間にウイルスは残ってしまいます。新型コロナウイルスは0.1マイクロメートルの大きさですので、人の目では小さな隙間でも、ウイルス目線では無傷で残るに十分な隙間です。ですから、床や地面が雫でびちゃびちゃになる程度、沢山噴き付けて塗りつぶさないと、効果的な消毒ができたとは言えません。

 

  

右側が噴き付け処理面                     イメージ  青:消毒液  赤:ウイルス

 

空間噴霧をされる業者もあるようですが、WHOや厚生労働省の見解では、効果が不十分なうえ、人の健康上のリスクもあることから推奨していません。プロが消毒等で使用する噴霧器では、噴霧される霧の粒の大きさは、5マイクロメートル以上の大きさになるように設計されています。5マイクロメートルよりも小さい粒子の場合、人が誤って吸い込んでしまうと、肺から肺胞、肺胞から血管に取り込まれてしまいます。たちまち中毒を起こしてしまいます。

 

空間噴霧時の霧の粒の大きさは5~100マイクロメートル程度です。そんな小さな粒ですから、室温の影響を受けやすく、含まれているエタノールはすぐに蒸発してしまいます。霧状に白く浮遊して見えるのは、消毒液というよりも水です。蒸発したエタノールではウイルスの不活性化はできませんし、むしろ引火しやすくなりますので危険です。エアロゾル化して空気中を浮遊しているウイルスには、換気が有効です。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。ご自分で消毒するときの役にたつでしょうか。あるいは、業者選びの参考になったでしょうか。まだまだコロナウイルスの感染に油断ができません。手洗い・消毒、マスク・換気、適度な距離で予防しましょう。

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