お役立ちコラム

2024/07/05

トコジラミは殺虫剤を使わずに駆除できる?薬剤の安全性や特徴を解説

トコジラミに血を吸われると、強烈な痒みに襲われます。
トコジラミの被害に遭ったり、痕跡を見つけたりしたときは早急に対処する必要がありますが、駆除の際に気になるのが殺虫剤の安全性です。

今回は、トコジラミを駆除するために殺虫剤以外の方法があるのかを解説します。
また、殺虫剤に含まれる薬剤の安全性についても紹介するので、小さなお子さんや高齢の方を心配されている人は、ぜひ参考にしてみてください。

トコジラミは殺虫剤を使わずに駆除できる?薬剤の安全性や特徴を解説

殺虫剤を使わずにトコジラミを駆除する方法はあるのか

トコジラミ駆除にあたり、最もおすすめするのは殺虫剤を使用することです。
しかし、トコジラミ駆除業者に相談される方のなかには「殺虫剤以外の方法はないの?」「赤ちゃんやペットに悪影響はないの?」と不安に感じる方もいます。

結論から言うと、殺虫剤を使わずにトコジラミを駆除することは可能です。
トコジラミの被害件数が増加した2010年以降、さまざまな駆除方法が試みられてきましたが、殺虫剤を使わない方法について解説します。

高温の蒸気・熱風による駆除

例えば、日本で普及したのはスチームクリーナーを使った駆除です。
高温の蒸気を吹きかけて駆除していくんですが、蒸気の温度は噴射口から数センチ離れるだけで効果が損なわれるほど下がってしまいます。
隙間の奥に潜むトコジラミに致命傷を与えられない可能性があるため、確実に駆除できるとは言えないんです。

このほか、アメリカなどでは家屋や部屋全体を熱風で高温にし、トコジラミを駆除する方法もあります。
しかし、2〜3日ほど高温の状態を維持する必要があるため、コストの観点から現実的ではありません。

また、室内から家具などを取り出して加熱する「ヒートトリートメント」という方法もあります。
ただ、トコジラミのいる室内に家具を戻すと予防効果がなく、その家具に再び住み着いて繁殖する可能性もあるため、確実とは言えません。
こちらの方法は何度も繰り返し作業をすることになるので、薬剤を使った駆除と比べると時間と費用が多くかかることになります。

トコジラミ駆除に殺虫剤をおすすめする理由

トコジラミをはじめ、さまざまな害虫駆除の依頼を受けてきましたが、より早くかゆみから脱したい方は殺虫剤を使った駆除がおすすめです。
ただ、薬剤や殺虫剤について詳しくない方からすれば、「人体に有害では?」と不安に思う方もいるでしょう。

ここからは、トコジラミ駆除で高い効果が期待される「サフロチンMC」と「ベクトロンFL」について紹介します。
いずれも防除用医薬品として厚生労働省から認められている殺虫剤です。

サフロチンMC

プロペタンホスという薬剤が使われた殺虫剤が「サフロチンMC」です。
2007年に誕生した薬剤で、プラスチック製のマイクロカプセルの中に殺虫成分が閉じ込められているため、人体に入ったとしても吸収・消化されることはありません。

ただ、トコジラミ駆除には非常に活躍します。
トコジラミの体表はトゲのような毛が生えており、サフロチンMCと擦れることでカプセルが壊れ、殺虫成分が付着・蓄積されていきます。
触れて即死することはありませんが、トコジラミは徐々に弱って死んでいくのが特徴です。

ベクトロンFL

2021年から日本で使われるようになった「ベクトロンFL」には、ブロフラニリドと呼ばれる薬剤が使われています。
ごく微細な粒子で構成されているベクトロンFLは、サフロチンMCと同様にゆっくりと効果が現れてくる殺虫剤です。

トコジラミやゴキブリに対しても有効な殺虫剤ですが、人間をはじめ哺乳類に対して健康上の影響は見られません。

他の殺虫剤との違いは?

トコジラミ駆除のために使われる殺虫剤は、このほかにもあります。
しかし、トコジラミの被害が拡大した2010年ごろの殺虫剤は、安全性が担保されているものの殺虫効果は高くありませんでした。
現在でも使われている殺虫剤のなかには、薬剤を散布した箇所が日光を浴びることで変色したり、頭痛を引き起こすような強い臭いを発したりするものもあります。

一方、サフロチンMCやベクトロンFLは、薬剤の持続期間が3ヶ月以上あるのがポイントです。
トコジラミは個体によって人の血を吸いに現れる頻度が異なり、7〜10日に1回現れることも珍しくありません。
他の殺虫剤だと数日で効果が切れることもありますが、殺虫剤を1度使うだけで長く効果を発揮してくれるのは、駆除の負担軽減や安心にもつながるでしょう。

まとめ

トコジラミの被害に悩まされている方のなかには、害虫への恐怖から家具や家電、アルバムなどを捨ててしまわれる方もいます。
しかし、サフロチンMCやベクトロンFLといった殺虫剤で駆除すれば、高価なものや思い出の詰まったアイテムを捨てる必要はなく、いつも通りの生活を取り戻すことが可能です。

そうは言っても、やはり薬剤に対して心配な方もいるでしょう。
そのような場合は、駆除業者に気軽に尋ねてみてください。
808シティでは殺虫剤の説明だけでなく、お客さまからの要望をお伺いし、薬剤を使う場所・使わない場所のご提案もおこなっています。

害虫駆除は808シティにお任せください

【足立雅也 プロフィール】
808シティ株式会社 代表取締役社長。
大手害虫駆除業者で様々な害虫駆除を体得し、その技術を競う全国大会で優勝実績を持つ。

現場での駆除作業にとどまらず、関連する協会や学会の役員を務めるなど業界活動にも意欲的。
日本全国で数々の講義・講演を行っており、トコジラミの講演数は200を超える。

「トコジラミ研究会」のメンバーとして、『トコジラミ読本』(日本環境衛生センター・2013年出版)を監修。

 

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